三匹が斬る〆 現代詩フォーラムランダム道中千人斬りの巻 其の弐百拾壱〜其の弐百弐拾
熊髭b



ペーパーバックのような気軽さで、
俺も書くし、みんなも読んでほしい。
瞬発力命の
そんな短い批評があってもいいじゃん。
そんななかで、立ち止まってしまうものがあれば
それは俺にとって本物だ。

ということで、レッツトライ!



□其の弐百拾壱

『リミックス・マーズ(The knowledge of the medicine)』 たみ ★★★☆☆
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=20449

お、しょっぱなからたみさん。ご無沙汰熊です。いかれていかした佐野元春。ぶっちぎり感が爽やか。最近爽やかっていいなあと思う。爽やかは高い。高いというのは、高度のことじゃなくて、着地点なんか関係ないよ、とにかく跳べっていう潔さ。>ジャパニーズ空港 海外の人が降りるんだぜ うん、ここでやられたね。しかし、なんでこれが一票なんだ?もっと読まれてもいい作品。佳作。ホールズ。


□其の弐百拾弐

『たすけて』 馬野幹  ★★☆☆☆
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=23373

幹さん、こんばんは。復活しました、よろしくです。続けてなかなか読み応えがある構図の詩。結びで>早くかれらを見捨ててしまいたい。 と簡潔に書かれているのが逆に作者の意図をいろいろと考えさせるなぞなぞ。でも、同類を見るような眼も同時にあって、そこがなんだか優しい。腐れ縁のような視点。状況提出の切り取り方のうまさはさすが。


□其の弐百拾参

『微々たるアオ』 A道化  ★☆☆☆☆
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=41431

お、メジャーどころが続きます。道化さん、猛獣に使われるほうですこんばんは。まず、性能と結びで言っているところが面白いね。有機を無機化して何かを無化しているような。いや、希求しているからこそ、あえて矮小化して自分自身を納得させるような。そんな超接写的世界が切実に迫ってくるときってあるよね。きっとそのうち受け入れていくのだと思うけど、その過程のカタルシス。


□其の弐百拾四

『南風』 あおば  ★☆☆☆☆
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=64853

ネット詩界のシルバープリンスあおばさん登場。ご無沙汰しています。お元気ですか。ちょっと熊です。前連の静謐観漂う始まりに少し期待したが、後連で失速した印象。もっと読者としては白昼夢のような雰囲気がほしかった。ところでチエって何だろう?気になるぞ。


□其の弐百拾五

新妻カナコ(仮名) ヤギ  ★☆☆☆☆
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=55540

お、短歌だ。しかも動物だ。ヤギさん、クマです、よろしく。うん、おもしろいしうまい。こういう感じのひと、高校にひとりはいそうだ。でもうまいわりには、読後感が残らない。これだけ書いているのに、才というか、狙いが先走っていて、作品としての世界観がまるでない。ラジオのネタ投稿とかにいいかも。


□其の弐百拾六

そろもん(就寝時の注意の話) みつべえ  ☆☆☆☆☆
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=60849

やや、みつべえさん。最近話していないけど生きてるかな(笑)正月は酒飲んで酩酊してるんだろうな。うらやましいぞ。そろもんシリーズの一遍。このソロモンシリーズは偉大だ、けど、とても全部読みきれないぞ。どこで区切りをつけるんだろう?と、要らぬ心配はおいといて、詩になっている点を上げれば、就寝時の注意の話となっているほうだろう。これだけでは評価不能。でもそろもん、いい作品いっぱいアルヨ。クマサンウソツカナイ。


□其の弐百拾七

『深 淵』 相田 九龍  ☆☆☆☆☆
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=89607

クーロンさんはじめまして。すかさず御免。きれいだなあ。深淵のわりにはきれいだ。月、夜、雨、朝焼け、悲しみ・・・。それはきれいだ。でもさあ、自分の気持ちのためにこういう言葉を羅列するのはもうやめにしないかいって俺は思うんだ。世界は簡単にアクセス可能だけど、簡単にしちゃいけないと思うんだ。おんなのことはいつでもアクセス可能だけど、簡単にあんなことやこんなことしちゃいけないのと同じように。ちょっと違うか?でもまあ、そういうことだと思うんだ。


□其の弐百拾八

『本物の詩人になれたら…』 piyococco  ★☆☆☆☆
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=38575

piyococcoさん、熊です。どうもお初にお目にかかります。うむ。潔いエッセイですな。その心意気好きです。なんだか素直に書いてあるところが面白い。きっと人の感情はもっとぐるぐる渦巻いていて、詩の立ち上がるところはそういうところなんだけど、詩を書くひとって、渦巻いたまま言葉がきてしまうんだな。それがきっとこんな風に読んでいて俺は疲れるんだ。けど、こうして読んでいるのは、俺も渦巻いたままだからなんだろうね。でも、詩が立ち上がる場所は、こんなにわかりやすく明確な場所ではないと俺は思うんだよ。たぶん、だれも本物の詩人になんてなれやしない。だから詩を書くのだと思う。詩を書くには、世界は森羅万象過ぎて、僕らはあまりにも若すぎる。がんばろうぜ。


□其の弐百拾九

『パラサイト・シングル』 ※  ★☆☆☆☆
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=7195

※さん、〔´(エ)`〕ヾどうもー。うん、嫌いじゃないな。ちょっと小さいつげ義春みたいで。でもこれが詩かといえば、たぶん全体では詩になり損ねている気がする。マッチョ系か曇天系、不思議系か癒し系、はたまた感傷系か、ドラッグ系、大正ロマン系か。なんだかけっこう簡単にカテゴライズされてしまうような作品があまりにも多くて、本当はそういうのはみだしていくものを読みたいなあーと思うのだけど、やっぱり現実に裏打ちされた厚みが詩の言葉だとしたら、みんなすぐに底は見えてしまうよなあ。現実とは、やはり信頼だと思うんだ。俺は作者のその「信頼」をみたいんだな。きっと。


□其の弐百弐拾
『渋谷へゆこう』 天野茂典  ★☆☆☆☆
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=20507

天野さん、異彩を放っています。最近拝見しないけど(って俺も拝見されないけど)、どうもはじめまして野獣です。>教え子の赤い傘 さしてゆこう と >うひひ なんだかここだな。むき出しだ。赤い。ホラーだ。でも悲喜劇でもある。詩というよりも、天野さんを主人公にして映画にしたらすごいかも。勝手な夢想ですが。





ふう、今日も10人斬り、御免。正直、結構ランダム書きようのない詩が多く出ているので、ある程度取捨選択しているぜ。なんだか、やはりトップテンを見ていても、あきらかに2年前くらいとは傾向が違ってきた気がしている。いい言葉が表に出てくるような、そして、評価されて読まれるけど俺が違和感を持つものの正体をエイヤアと斬り捨てていけるような、そんな一石をこの無謀な企画で投じることができたらいいなと、小さな胸をときめかせる熊であった。





散文(批評随筆小説等) 三匹が斬る〆 現代詩フォーラムランダム道中千人斬りの巻 其の弐百拾壱〜其の弐百弐拾 Copyright 熊髭b 2007-01-03 01:31:13
notebook Home 戻る