「みそうどん」/「四角四面」/「厭世観」
なかがわひろか

「みそうどん」

大好きなうどんの
脳味噌和え

少し辛みがきいてるけれど

隠し味とでも思いなよ

ちゅるちゅるちゅる
冬場より夏の方がおいしいかもな

ちゅるちゅるちゅるって喉を通るから

頭がいいやつの味噌は格別さ
いろんな知識が詰まってら
噛めば噛むほど味が出る

おバカなお人の味噌もまぁ
それはそれで通には好評判さ

残った脳味噌はどうすりゃいい

まだ小腹が空いている

替え玉サービスできるかい

ちゅるちゅるちゅる
ちゅるちゅるちゅる
しこしこうまいね

(「みそうどん」)

「四角四面」

かかってこい
ここじゃ僕は無敵だよ
かかってこいよ
君が入る隙間もない

四方は既に囲まれてる
君が来たところで
余計に追い込まれる訳でもない

僕のように囚われてみるかい
違うんだな
僕は自分の意志で
ここにきたんだ

訳も分からず
世に捕われる
その辺の奴等と
一緒にしないでくれ

(「四角四面」)

「厭世観」

アンタのことがよう分からへん
こっち来ィなって言われても
なんか信じられへんし

信じるなんて
そんなことほんまは気にしてへんのや
そんなん言ってもしょうがないことやから
アンタの言うことは全部ほんまでも
嘘に聞こえてしまうから

もう訳分からん
なんやうちどうしたらいいんか
よう分からん

死んだらええん?
消えたらええん?
そしたらアンタは満足するん?

そんなん厭や
怖いもん
せやけど今みたいな
よう分からへん気持ちは
ほんまに厭やねん

よう分からんわ
どないしていいか
ほんまによう分からへん

こんなうちを見て
何がそんなに

楽しいん?

(「厭世観」)





自由詩 「みそうどん」/「四角四面」/「厭世観」 Copyright なかがわひろか 2007-01-02 23:57:56
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