人はつながろうとする(serial experiments Lain)
ダーザイン

とある夏の夜
遠い遠い荒れ野の果て
深い枯れ井戸の底におりました
光が射し
闇が訪れ
幾日たったのかわからなくなったころ
星が ふるふる震えながら語りかけてきました

私は寂しい こちらへおいで

でも僕は
まだそこまで行くことはできなかった
星の涙が色とりどりの蛍石になって
僕の上に降りそそぎました

とある秋の夜
僕は深い深い森の奥
小さな湖のほとりにおりました
夕べの名残の赤光も消えた
青い世界のかたすみで
燠がぱちぱち唄いだすころ
湖底の人魚が誘いました

私は寂しい こちらへおいで

でも僕は
まだそこまで行くことはできなかった
水面に静かな波紋を広げ
水晶のかけらが
ちらちらと浮かび上がってきました

ああ今日も夜が更けていきますね
そっと窓を開けてみれば
孤独な天使が
電信柱の上で囁いています

こっちへおいで いっしょに遊ぼう

人は孤独
神さまも孤独
だから
serial experiments Lain


自由詩 人はつながろうとする(serial experiments Lain) Copyright ダーザイン 2004-04-04 14:23:57
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