新年
たもつ


友人からの年賀状には離婚したことが添えられていた
数年前、結婚の挨拶に来た二人
こんな美人お前にはもったいねえな、なんて
憎まれ口にもニコニコしていた二人

昨年もいろいろな人がこの世を去った
それは先輩であったり
親戚であったり
あるいはただの知り合いであったり
あるいはなかったり

四月
入学式の時は俺を「パパ」と呼んでいた娘が
気が付くと「お父さん」と呼ぶようになっていた
この家に「お父さん」なんて大層なものは居ないのだよ
そんな言葉を雑煮の餅といっしょに飲み込みながら

また一年この三人でいっしょに暮らすのだな、と思った
いや
多分そう願ったのだと思う


自由詩 新年 Copyright たもつ 2007-01-02 11:04:47
notebook Home 戻る