しろみ (連詩) (2/2)
アンテ
しろみ
(2000.7.29-9.15 @FCVERSE)
(1/2からつづく)
かくしたつもり
ことばでいいあらわせる
ものごと
だけでなりたつくらしが
あかりのかずだけころがっています
ことばですませられないことを
かきあつめて
くちぶえにして
それでものこったかけらを
こっそり
うらやまにうめて
かくしたつもりでしょうが
においがひどくて
とても
すめたものではありません
せんたくものが
ほせません
つたわらない
わたしの「きにしていない」は
あなたにきょうみがない
っていみなんです
ごはんのさいちゅうとか
どくしょのあいま
なさけないめで
わたしをみるのはよしてください
わたしのかべは
ひかりやおとしかとおさないから
ねんりきなんかこめたって
きもちはつたわらないんです
かきだすまえに
ごかくけい
はちかくけい
へんのかずがふえるほど
むずかしいのです
ようきゅうちなしで
いきなり かきだすものだから
かたちがゆがむのです
ほら ひとつ
かどっこがすくないでしょう
じゅうななかくけい
さんじゅうさんかくけい
さんびゃくろくじゅうを
へんのかずでわいましょうね
ぶんどきをつかいましょうね
でぐちといりぐち
あなたは
つきがすきなのだといって
くるひもくるひも
つきをかきます
しょくじも すいみんも
ときには いきをすうのもわすれて
えにむちゅうです
じゃんけんにだって
でぐちといりぐちがあるというのに
あなたのつきは
いきをすってばかりなので
かおがまっかで
とてもくるしそうです
ときどきは
はかせてやってください
いろいろと
おもうところはあるのでしょうけど
それは
つきのせいではありませんから
からだをおりまげるほどの
あなたは
からだをふたつにおりまげて
ゆかをころがって
なきました
それほどまでして
たえなければならないいたみとは
どれほどのものだろう
となりにすわって
わたしもないてみました
なみだがだくだくながれました
あなたは しだいにおさまって
ありがとう
といって
ききもしないくろうばなしを
わたしのなかにおきざりにして
わたしのなみだをふみつけて
さっていきました
もうひといきだったのに
なみだがとまりました
かちかん
そらにうかんだ
くものだんぺんが
くうきながれのかげんで
きえたり またうまれるのは
かなしいことですか
いぬが はっぴきもこどもをうんで
やせほそるのは
つらいことですか
かちかんで
なにかをきめつけるのは
あなたのかってです
ふみつぶされたむしに
だれかが
いのちをなげだすことだってあるのです
じんせいのもくてき
ゆうせいらん と
むせいらん のちがいを
おしえてあげましょうか
たまごのからを
なかからわるか
そとからわられるか
それだけなんです
あなたを
むこうがわへつれだしてくれるひとが
おいしい おいしいといって
あなたをくらうでしょう
かしゃり
からがわれるおとだけで
まんぞくですか
かしゃり
そとへでることが
じんせいのもくてきですか
あてずっぽう
あちこちまがったり
かたむいたり
いまにもくずれそうな
せいたかのっぽのびるが
まちのあちこちにたっていて
かぜがふくたび
かけらがおちて
だれかがぎせいになります
このおかは
まちがいちぼうにみわたせるので
どれが けいさんずくで
どれが あてずっぽうか
てにとるようにわかります
びるにしがみついていないで
こちらへいらっしゃい
げんかいですか
こまったなあ という
あなたのことばで
たちどまったわけじゃありません
あなたが
こまっていたから
たちどまったんです
かわいらしいこえを
だしたってむだです
あなたは いままで
どれだけがんばりましたか
それは
あなたのげんかいですか
うまれてくるのは
きみがいなければ
しろみは
りっぱなひなになれません
しろみがいなければ
きみは
そんざいりゆうがありません
こころから
そうしんじるひとたちが
またひとつ
からをむいて
おいしいおいしいと
たまごをたべます
ひなになれなくたって
うまれてくるのは
むだじゃない などと
ひとごとみたいに
いうのです