雪原の足跡 
服部 剛

いつまでも 
ひとりでいるのはさみしくて 
旅先で 
出逢ったきみに会うために 
遠い雪国へ
ぼくはゆく 

金はなく 
新幹線にも乗れず 
長いトンネルを抜けた
夜行列車で目覚めると 
車窓の外はましろい夜明け
 
辿り着いた
無人の駅をひとり降り 
寒がりな身をちぢめながら 
ひろい雪原を
ぼくはゆく 


ずぼずぼ と 
ただ ずぼずぼ と 


ましろい雪に足をうずめて 

( きみと向き合い 
蕎麦そばを食べるという夢を 
( こころにいだき 

雪原の彼方かなたに浮かぶ 
きみのほほえむまぼろしのほうへ 
 
 かじかむ手に一輪の花を握り 
 ポケットには一通の手紙をしたため 

そのほかはなにも持たずに 
ぼくはゆく 


ずぼずぼ と 
ただ ずぼずぼ と 


背後に遠くつらなる 
足跡を残して 











































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































 














































































































































































自由詩 雪原の足跡  Copyright 服部 剛 2007-01-01 23:46:49
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