1月
行ってしまいました
2月
逃げてしまいました
3月
去ってしまいました
4月
兄が大学生になりました
5月
ゴールデンウィークに喧嘩しました
一生赦さない程の憎悪と愛で以って兄を殴りました
6月
娘が死にました
漢検2級と英検2級に合格しました
大してすごいことじゃありませんでした
7月
先輩の一周忌でした
8月
僕は泣きませんでした
9月
体育祭がありました
あまり楽しくありませんでした
10月
受験しました
11月
合格通知が来てくれました
文化祭がありました
ほとんど参加しませんでした
弟が心不全で倒れました
ついでに重度の肝機能障害で痩せました
18歳になりました
薬を3種服用しなければならなくなりました
クロがいなくなりました
空の首輪を買いました
自分を飼うことにしました
12月
エッセイとして書いた読書感想文で
優秀として賞状と盾を頂きました
何が正しいのか分からなくなりました
壊れたみたいに眠りました

今日
娘の墓で手を合わせました
それから先輩が死んだ場所で
一人で
泣きました
死に遅れた自分に夢を見るのは
まだ生き遅れているからかもしれません
皆が並んだスタートラインが白過ぎて
濁った目には痛かった
です

新年に向けて今年を振り返ると
少しだけ寂しくなりました
楽しかったこともたくさんあったのに
羊膜は哀しみだけを包んでいるかのようで
死に遅れて生き遅れた僕は
来年も生まれることに恐怖しているみたいですね

誰か
煙草に火を
くれませんか
ほんの小さな灯りで
今摑んでいる希望が見えそうなんです
ついでに
笑ってくれませんか
僕はまだ
上手く笑えないんです

伸びすぎた爪が
鏡に薄っすら傷をつけ
うっそりと嗤う虚像と化した傷痕に
僕は泣かされました