三日月、波の背中に
たりぽん(大理 奔)

ためらい傷
みたいな三日月
彼方で雲の風紋
ついやされる言葉
私という
熱を届けるため

   無数の
   海に降る雪
   水平線をかき消し
   どこにもつもることもなく
   舞い落ちる
   ただ

   誰かの言葉のように
   後ろすがたのかげ
   まぶたに消して

それらが届く果ての夢
を見る
どんな声でもない
どんな声でもある
つもることなく
波に降りしきる雪
凍える先の微熱




自由詩 三日月、波の背中に Copyright たりぽん(大理 奔) 2006-12-29 20:25:19
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