雪に強い獣
肉食のすずめ

部屋のど真ん中
椅子の上に突っ立って
震えている
それは
外に雪が降っている
からでもなく
あなたが帰ってこない事に怯えている
からでもなく
この後の修羅場への期待でもない

すぐに行けばいいじゃないか
一人で行けばいいじゃないか

椅子の他には何も無い部屋で
震えている
それは
動きの止まらない右足を
片手で押さえているからだ
もう片方の手は携帯電話を操って
頼りになりそうな人を探している
誰にも繋がらない
この状況と
外の景色が綺麗なのは
全く関係ないのだ

右足の中で 雪に強い獣が

おう、準備できたぜ

と言った


自由詩 雪に強い獣 Copyright 肉食のすずめ 2006-12-29 16:14:45
notebook Home