きんいろの自由へ
銀猫

一握りの気まま、は
自由と呼ばない

不自由から逃れて
背中の羽根を伸ばしても
きっと名前が違うだろう

いくばくの束縛から逃れた、
小鳥のようなあなたは
一粒の木の実さえ
探し求める不自由を
解放と呼びながら
そうして
籠のなかでうたっていた囀りを
忘れ始めている


うつくしい声は
それはささやかな風のようだった
眠りは春の夢のようだった

あなたのことで
こころに風が吹くのは
自由と呼べないか

空の広さは誰もが違って
狭い窓から覗く青にも
うたは聞こえないか


わたしは飛ばない
きんいろの世界は
目蓋の内側に
ほら
こんなに染みている




自由詩 きんいろの自由へ Copyright 銀猫 2006-12-29 14:38:35
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