戦争へ行く
ノボル

僕はとうとう戦争に行くことになった
もしやとは思っていた
それでも皆
今でも半信半疑なのだ
ほら、そこの上官だって
皆が本当に自分のいうことを聞くのかと心配顔だ

僕はといえば、さっきから
いつも旅行に持っていくパッキング用タッパーを探している
どうしてか
どこにも見あたらないのだ。

ついにここまで来てしまった
Sさんが不意にバッグを落として
エロ本が散乱する
僕とKさんがあきれていう
そんなものを持っていってどうするの
いやあ、寸暇を惜しんでだよ
なんとも可笑しく、そして悲しい。

しかし、盛り上がるかなあ、と僕は心配している
みんな、ちゃんと歌うだろうか
歌わないと困るなあ
それにしても、なにを歌うのだったか。

どうやら戦争が始まったようだ
上官が、にわかに威力を増していく
誰かをぶんなぐっている
もうだれも逆らえない。


自由詩 戦争へ行く Copyright ノボル 2006-12-28 19:32:50
notebook Home 戻る