人類歴史学入門
ネコ助

人類と言う生き物は
宇宙の僅かな確率の中に点る
一本の蝋燭です。

ふりかえりますと
単細胞の進化から、魚類や爬虫類の時代を経て
何百万年の昔に、やっと二本足で立ったのです。
悠久に思える時の流れの中で
常に飢えや死と、背中合わせに生きて来た。
木ノ実や動物を食べ、仲間で平等に別ちながら、
本能である平和主義の協力精神を知恵にして
世代を繰り返してきた。

・・・・輝き生きた美燃焼の時代です。

いつの日か長い苦労は実り、
狩猟から定住の時代へ
そして、権力者・国家の出現。
人類は定住繁栄と引き替えに、保守・侵略のために
軍国主義の暴力精神を仲間に植え付けた。
悲しくも人類の適応能力は感染した。

・・・・嵐に乱れる乱燃焼の時代です。

今に学べる歴史の軌跡で
美燃焼と乱燃焼の時間の対比は、
何万対一の相対比であり
つい最近の憂うべき燃焼現象です。
そして今、遠く離れた国で
痩せ細り死んで行く同胞をみながら、
それを見ることの出来る技術や知恵を持ちながら、
どうする事も出来ずにいる。

かっての協力精神の平和主義は
現代国家の表看板となり、
裏ではパンを殺人技術進歩の糧として、
流用しているのです。

・・・・人類危機 爆発燃焼の時代です。

果してこれからの歴史を考えるとき
これまでのどれだけを、未来に送れるでしょうか。
世界は、いつとも知れぬ爆発燃焼に脅えながら、
地下に穴を掘り
小さな家庭は、せめてこの子の時代は・・・・と
祈っているのです。

もしも、次の消滅燃焼を自ら招いたとき
そのあと何日か過ぎて
宇宙に漂う、死の灰に包まれた惑星を
何処かの異星人が見つけるでしょう。                
そしておそらく、その星の惑星放送や
ある学校の歴史の時間の教材として
放映されるでしょう。
「このビデオは、歴史から何も学ばなかった
愚かな人類の結末の、大変良いサンプルです。」
とコメントされます。

そして、学習コースの史跡巡りの
ポイントになります。
彼らが焼けただれた大地に降りた時、
我々人類の、平和への努力の痕跡を
見つける事ができるでしょうか。
彼らは、地上の物に興味を示さない。

人類学者の若者が、地下深くを発掘する時、
ちょうど、美燃焼紀あたりの剥離層に
彼らと同じ精神の化石を
発見するかもしれません。



自由詩 人類歴史学入門 Copyright ネコ助 2006-12-28 12:40:02
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