息の降る、
A道化









音も無く
特別な体温は過ぎ
今は、ここは
「ふゆ、」
という
息と


(さよなら、)
という
息と





ただの息
と化す。
その静けさで夜が
小さく、しん、と白む
ここは秘密なんかじゃないのに
秘密なんかじゃないのに
しん、と
わたしだけの
「ふゆ、」という息と
(さよなら、)という息とが
小さく、しん、と白み
雪以上に明白な危険因子になり
しんしん、しんしん、痛みながら肺に降る
秘密なんかじゃないのに、ここは
ねえ、秘密なんかじゃないのに





音も無く特別な体温があったよ
だから、音も無く特別な体温は過ぎ
今は、ここは
「ふゆ、」
という
息と


(さよなら、)
という
息と


2006.12.27.


自由詩 息の降る、 Copyright A道化 2006-12-27 17:50:27
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