はるこ


今日、あなたにはじめて電話をしたね。
1コール、2コール…繰り返される無機質なその音は
あなたへと続く長い階段のように、思えてた。
どきどき、どきどきして。
出てくれなかったらどうしようかって思ってた。
でも、そんな心配をよそに突然右耳からあなたの声。

いつもより低くなるってはじめて知った。
わたしの言葉にうんうんと頷いてくれる声。
さらさらと流れるように話す声。
あんまり話してくれるから 思わず
あなたの声に酔いそうになってた。


おやすみなさい、と言って切った後
嬉しくて、切なくて、とても眠れそうになくて、
もっと、好きになってしまったのは、わたしだけの秘密。
もう少し、わたしだけの秘密にしておくね。


散文(批評随筆小説等)Copyright はるこ 2006-12-26 18:50:05
notebook Home