恋月 ぴの

何を探していたのだろう
散り積もった日々の
瓦礫の中より
それはひとときの温もり
顧みることさえ叶わずに
北風にさらわれてしまった
あなたとの思い出
ことばなんてくだらない一葉に
思いの丈を託したところで
深まる季節の予感に
もうよそうやという声が聞こえる
それでも
諦めきれないままに
あれは

武蔵野は
すでに冬景色
思い出の行方を尋ねようにも
黒く
沈んだ木々は
何故か
押し黙ったまま
あなたが見捨てた一羽の鶫
愛しい人よと胸震わせて


自由詩Copyright 恋月 ぴの 2006-12-24 23:19:06
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