フランソワの空
湾鶴

王麗の木箱から
はみでた毛糸は
そろりと巻くか 
するりと着てしまうには
あまりにも遠く
フランソワの無邪気に
毛が纏わり
駆けてく山羊の
背にもう一度
ふれようと
毛糸に手を通す
フランソワの空



リンゴの木箱から
はみでた毛虫は
そろりと巻くか 
するりと捨ててしまうには
あまりにも気味悪く
フランソワの無邪気に
毛が纏わり
転がってく林檎の
背にもう一度
ふれようと
木箱に手を通す
フランソワの空





自由詩 フランソワの空 Copyright 湾鶴 2004-04-02 13:53:25
notebook Home 戻る