『魔女裁判』
しろいぬ



人を信じるなんてのはねぇ



まったく歯軋りするような喜劇よ



信じたら信じた分だけ



裏切られ搾り取られ見世物にされて殺されて



ええまったく素晴らしい世界です



まるで天国です



本日も狂ったような快晴で



いかれた星空がまぁ綺麗



そしてあんたたちは



至極真面目に黙々と



私を刺す



It’s wonderful life!



素晴らしきかな人生!



あんたたちみんなの頬に



口づけしてその幸福を呪ってあげたいのだけれど



四肢残らずを釘で留められたこの躯じゃ無理ね



代わりに祈るわ



このごみ溜めのように腐れた世界と



ゴキブリよりも醜悪で ドブネズミよりも意地汚いあんたたちが



どうかどうかどうかどうか



ゲヘナの火に炙られて焼肉にされてしまいませんようにって



祈るわ



あんたたちなんか焼いたら



私のドレスに 酷い臭いがついちゃうものね



自由詩 『魔女裁判』 Copyright しろいぬ 2006-12-21 23:55:13
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