『魔女裁判』
しろいぬ
人を信じるなんてのはねぇ
まったく歯軋りするような喜劇よ
信じたら信じた分だけ
裏切られ搾り取られ見世物にされて殺されて
ええまったく素晴らしい世界です
まるで天国です
本日も狂ったような快晴で
いかれた星空がまぁ綺麗
そしてあんたたちは
至極真面目に黙々と
私を刺す
It’s wonderful life!
素晴らしきかな人生!
あんたたちみんなの頬に
口づけしてその幸福を呪ってあげたいのだけれど
四肢残らずを釘で留められたこの躯じゃ無理ね
代わりに祈るわ
このごみ溜めのように腐れた世界と
ゴキブリよりも醜悪で ドブネズミよりも意地汚いあんたたちが
どうかどうかどうかどうか
ゲヘナの火に炙られて焼肉にされてしまいませんようにって
祈るわ
あんたたちなんか焼いたら
私のドレスに 酷い臭いがついちゃうものね