ダーザイン

夜が呼んでいるような気がしたので
誰かが待っているような気がしたので
自転車のかごにウイスキーボトル入れて
僕はさんぽに出たのです

どこか遠いところで
凪いだ海のおなかの中
呼び交わす
鯨の声

誰もいない神社の参道には
夜桜が
咲きほころんでいたのです

まいちる
まいちる
えいえんの
うす桃色の花びらは
ロンドを舞う可憐な少女

甘い香りがやさしくて
そのやさしさが悲しくて 
僕は
すべての花びらに火を放ち
死ぬには良き日だとつぶやいてみようか

えいえんの
えいえんの
うす桃色の花びら


自由詩Copyright ダーザイン 2004-04-02 13:42:39
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