おば様と化粧と私
優飛

 一人分のスペースに
 あとからあとから
 人が流れ込んできます


 気の弱い私は
【もうこれ以上は入れません】
 と言えないので
 次から次へと
 押し合いへしあい入ってきます


 挙句の果てにはおば様に
【ちょっとアンタどきなさいよ】
 と言われる始末です


 勇気を振り絞っても
【ココは私の場所ですから!】
 とは言えませんでした
 なにしろ気が弱いので


 仕方が無いので
【お邪魔してすみませんでした】
 とおば様に頭を下げ
 その場を後にしました



 振り返ると化粧くずれもなんのその
 おば様があの場所を死守していました
 私もおば様のように強くなりたいと
 心から思いました




 心から思いました
 






自由詩 おば様と化粧と私 Copyright 優飛 2006-12-20 03:30:59
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