心の原風景
山崎 風雅

 冷たい北風吹く中で
 凍えながら
 ブランコに乗って
 赤焼け空を見上げてた
 お味噌汁のいい香りが漂ってきて
 母が僕を迎えにくる
 兄弟がいて、父がいて
 けんかしながら
 それでも笑いながら
 食べる暖かい夕食
 毎日楽しみのテレビ番組があって
 チャンネルの権利を兄弟と取り合って
 お楽しみの番組を目をキラキラさせながら
 見ていた
 時間になれば
 布団にもぐって
 母の温もり、兄弟の温もり、父の温もり
 感じながら
 しらない内に眠りにおちた

 何もない部屋でも
 遊ぶことには天才的で
 家族の絆は固く結ばれ
 貧乏だったけど
 幸せだった
 それが永遠に続くものだと思ってた

 時の列車は容赦なく
 僕達の人生を運んで
 今、僕は一人
 涙も枯れて
 薄汚いオッサンになってしまった

 嗚呼、こんな淋しい夜は
 何度も何度も脳裏にリピートする
 心の原風景
 
 もう、戻れない




自由詩 心の原風景 Copyright 山崎 風雅 2006-12-20 01:09:21
notebook Home 戻る