結露
プル式

窓がうっすらとくもり
秋はいつの間にか冬に変わる
抱き合ったままの僕らは
足の冷たさを暖め合う
まだ少し賑やかさに包まれた
小さな夜の始まり

遠くで猫が泣いている
うちに呼んであげようか
息を殺してじっとしながら
二人で静かに笑い合おう
僕らのため息が聞こえないように
蜘蛛の糸が切れないように

今夜は月が綺麗だから
手を繋いだまま眠ろう
二人がどこにも行かないように
君に迎えが来ないように
優しい朝なんてきっとないから
僕らは大人に成りそこねたから

二人でそっと抱き締めていよう
寝ぼけた振りで構わないから
怖い夢なら僕にも教えて
優しく髪を撫で合えばいい
暖かくなった足が
きっと眠りに誘うから

遠くで猫が泣いてるね
うちに呼んであげようか



自由詩 結露 Copyright プル式 2006-12-19 19:23:43
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