夜よりも強く空気を破った
白雨

 夕暮れの会談に鶯が啼き
 太陽は別れを宣告した。
 私たちは、失いかけた腕のすき間から
 明日の失望の全景を予感した。
 暗くなり、
 雨はミシンの糸を紡ぐ咽び泣きを聞いた。
 かすれ声は夜よりも強く空気を破った。
 天の声は、ああ
 僕は腐れ縁の解けるほうが好きだ。


自由詩 夜よりも強く空気を破った Copyright 白雨 2006-12-19 16:47:54
notebook Home 戻る