ヒュルリ・シーズン
ブルース瀬戸内

ヒュルリ、季節が流れていきます。
漂流する矜持は、目的の意味を測りかねています。
留まらなくなりそうな思い出が
明日を約束してくれたでしょうか。
私の考えたことはそもそも私の何だったのでしょう。

ヒュルリ、季節が流れていきます。
意味は、鎮座していればいいと思っています。
白馬の王子様が来るとすら思っています。
明日は、何を約束すれば明日を保てるのか
毎日、毎日分かるわけではないのです。
私の考えたことはとっくに誰かのものかもしれません。

ヒュルリ、季節が流れていきます。
違う時間が同じに見えて
空間はぼーっとしています。
歴史の最先端の岬を駆けることが空しいなんて
誰が想定していたでしょう。
矜持をどこに打ちつけたらいいのでしょう。

ヒュルリ、季節が流れていきます。
簡単にもう、いやになるくらいに、ヒュルリと。
知らないうちに、いろんなものが、ヒュルリと。
流れていきます。
留めておきたいもの、
離せないもの、
あなた自身とか、
もう、しっかりつかんでおかないと。
それこそが矜持だとかどうとか
どうでもいいかもしれませんが。

ヒュルリ、季節が流れていきます。
ヒュルリ、季節が流れていって
あなたがずっと、そこにいます。


自由詩 ヒュルリ・シーズン Copyright ブルース瀬戸内 2006-12-19 02:36:49
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