笑顔
あおば
中学のクラスメートに
森君という友達がいて
かっこいいので憧れていた
なにが恰好良いのかというと
森という姓とはにかんだ笑顔
彼の顔を眺めていると
人生はひとことでは表せない
うっそうとしたボリュームがあり
中学二年生が蹴っ飛ばすには
巨大すぎると思わせる
そのような顔をして見せる
笑顔が可愛い男の子
いまでも教室にいるのかと思ったが
帰宅するときは
屈託のない女の子たちに囲まれて
にぎやかな歓声の中を
一緒に歩いていたのを思い出す
教室に居残っているのは
学校が嫌いだった
僕だけかも知れない。