蘇生
あおば



僕の知っている人の
知っていると言っても顔と名前と
BNと以前の住所
もちろんメールアドレスは
ホットメールアドレスは
知っているのですが
その人のお祖母さん
亡くなってから三回も蘇生して
それもお棺の中から蘇生して
とても本当のことには思えないのだけど
何度か会って話をした人が言うのだから
信じないわけにはいかない。

僕の母の場合も一度くらい蘇生するかも知れないと
少し楽観的に思っていたら
急に亡くなってしまい
ゆっくり亡くなるというのは
有るのかどう分からないのだけど
亡くなって
死亡診断書も出て
葬儀の終わりに窯で焼かれた
最後のお別れの時
ピクリとでもしてくれるかと
儚い期待をしたのですが
ピクリともせず
ベルトコンベアに載せられて
お窯に吸い込まれていった。
蘇生するにはそれだけの
才能と勇気
努力と運
周囲の理解が必要なのだと
痛感した。
可哀想な母は
誰にも理解されず
才能も乏しく
一度限りの人生を
昨日完全に終了いたしました。




作2005/12/04


自由詩 蘇生 Copyright あおば 2006-12-18 05:00:05
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