終末は白く光の中に

そこには廂のない
木々を見下ろすような
建物ばかりが並ぶから
欠けない月は
皮膚の下
脈打つ鼓動までも
見通す

懐で熱を吸い上げる
母から貰った
裁ち鋏は
銀色の筋をつけながら
流れるように
標を断つよう
望まれている

満月を切り取り
新月にすり替え
街灯を切り取り
夜明けを運び
照らされた光に
欠片も
透かされぬよう

断ち切ってしまえ

切断音に
引き寄せられた朝に
地平線を臨めるように




自由詩 終末は白く光の中に Copyright  2006-12-17 20:44:01
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