たましいの葉 
服部 剛

見上げると 
ひらひらと北風に舞う 
たましいのかたちをした 
まあるい葉が一枚
落ちてきた 

煉瓦れんが椅子いすに座ったぼくは 
腰をかがめてそれを拾うと 
手のひらにのせた葉は 
ほんのり紅く染まっていた 

葉の中心には 
幹のごときひとすじのしんと 
無数に枝分かれする細い葉脈 

( 一枚の葉のなかに 
( 一本のゆるぎない木が立っていた 

見上げると 
ほんのり紅い無数の葉は 
ひらひらと北風に吹かれながら 
ひそかな唄を
奏でていた 


煉瓦の椅子に座ったぼくは 
ひとすじの芯が通った
まあるい葉を一枚
ポケットに入れ 
荷物を背負い 
腰を上げた














自由詩 たましいの葉  Copyright 服部 剛 2006-12-17 16:58:06
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