きゃらめる 7
アンテ

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  ことば

  1

とてもさむいあさはやく
よぶこえでめがさめた
もうふにくるまったまま
ずるずる
ゆかをはっていくと
まどのそと
あさもやにあのひとがたっていた
まねきいれて
ひとつのもうふにくるまって
じっといきをひそめていると
つたえたかったことばが
どれもささいにおもえて
よりそって
めをとじると
とてもしずかなねむりがおとずれた


  2

あーあー
こえにだすと
こっけいで
あーあー
もじにすると
いみしんで
あーあー
ぴったりながっきは
なかなかなくて
あーあー
きがつくと
しぐさでごまかしている
ほんとうにつたえたいのは
そのつぎのことば


  3

じゃあほんとにいいんだね
ことばはなんどもふりかえってから
へやをでていった
さいごになにかをつたえたかったけれど
なんにもでてこなかった
とつぜんめからなにかがながれだして
とまらなくなった
なんどもてでぬぐいながら
これはなんていうげんしょうだっただろう
どうでもいいことばかり
かんがえた


  4

にていることばを
ひとまとめにして
ことばのかずを
じゅうぶんのいち
くらいにした
まちは
だいかんらんしゃ
になった


  5

そらから
ばらばらと
ことばのかけらが
ふってきた
じめんでくだけて
ますます
いみがわからなくなったので
ひろいあつめて
びんにいれて
まいにちおやつのじかんに
ほおばった
かじると
けめきゅ とか
ぺく とか
ふしぎなおとがした


  6

まいにち
きもちをつづった
のーと
さいごまでおわったので
さいしょのぺーじを
めくってみた

  おかえりなさい
  めそめそしてない?

くやしくて
ぺーじをめくると

  ちぇっ

とかいてあった


  7

ながいながい
みちをあるいていくと
ふたまたになっていた
かんばんがあって
ひとつは なんでもあるところ
もうひとつは なんにもないところ
につづいていた
ふりかえると
ずっととおくまで
いっぽんみちがつづいていた
おおきくいきをすって
かんばんをけりたおして
みちのないところを
つきすすんだ


  8

ことばをつくせば
つたわらないきもち
なんてないと
しんじてた
つたわらないのは
ことばがたりないせいだって
おもいこんでた
それがりゆう
だなんて
しらなかった


  9

あめのひは
みずたまりのなかで
じゃんぷじゃんぷ
くちずさむ

かぜのひは
おかにのぼって
ゆれるきのえだ
くちずさむ

はれたひは
ひろばにでかけて
なないろふうせん
くちずさむ

くもりのひは
しばしおやすみ
まどべにもたれて
にしからひがしへ

てんきがかわったら
また くちずさむ


  10

つたえて
あのひとに
それでも
ことばでなければ
とどかないきもちも
あるの
それがげんじつなの
ことばよ
つたえて
あのひとに





自由詩 きゃらめる 7 Copyright アンテ 2004-04-01 00:54:57
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びーだま