チェイン・ア・ラ・モード
千波 一也


嫌われることに震える両手は
ひとを切らずに
済んだかい

置き去りの身に震える素足は
ひとを捨てずに
来たのかい


 おそろしいものは
 いつも
 わからないのに
 
 ほんとはわからないのに


 水を
 含みつづけるのはなぜだろう
 かれないように、と
 かれてゆくのに



うつくしいものを
見ていたいよね
物語だって
聴きやすいものがいいよね

満たすものをかぎまわって
えがかれる、まる
それは
おさなごのクレヨンの
犬小屋の切り取りとよく似てる
 
まるとはつまり
鎖だね


研がれてゆきなさい
頑なにつよくなりなさい
鎖を断って
なおさら
まるくなるために


 疲れたら
 ほら、
 プリンをどうぞ




自由詩 チェイン・ア・ラ・モード Copyright 千波 一也 2006-12-16 17:53:11
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