SATP.Vol.7,「 うんこは独壇場。 」
PULL.







おれの書くものには、
リズムのものが多いです。

リズムで斬り込んで、
ことばを繋げて連鎖させて、
ぽこぽこ弾けさせるのは、
「おれの独壇場だぁ!。」
そう自惚れています。

だけどこれは、
言語感覚の大切な部分が、
おれは欠落しているからであって、
特別な「なにか」があるわけではない。
そう考えています。

似た味や色のことばを探したり、
連鎖することばを探したりするのは、
頭のこっち側で、
常にぐりぐり起こっていることで、
特別に意識してしているのではないです。

他のみんなの人がある。
みんな生まれつき持っている。
「言語回路」が存在しない代わりに、
「ことばをぐりぐりする回路」が、
おれにはある。

そんな感じです。


例えばそれは、
ネドベドの膝蓋骨が三つあるような、
ラフマニノフの手が異常に巨大だったような、
アントニオ猪木の顎がめっちゃ尖っているような、
ランディ・ジョンソンがビッグ・ユニットであるような、
そんなものなのかもしれないです。

そう考えて、
おれはめっちゃラッキーなのだと、
自惚れて、
自呆れています。


おれは言語的にも音楽的にも欠陥品です。
才能なんてものはないです。
そんなもん当てにならないです。
もしあったとしても、
うんこと一緒にトイレに流します。
才能や感性なんて、
うんこよりも価値がないです。
うんこの方が、
肥料になったりするので、
とってもエライです!。

だからせめて、
うんことおんなじぐらい、
うんこの爪の垢を煎じて飲むぐらい、
それぐらいの物書きで音楽家で、
ありたいです。


才能はないが、
汚能はある。
おれはそんな存在です。
そんな汚物でありたいです。












           了。


Sex And The Poetry.Vol.7,
「 うんこは独壇場。 」



散文(批評随筆小説等) SATP.Vol.7,「 うんこは独壇場。 」 Copyright PULL. 2006-12-16 00:04:40
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