引き出しの中のふるさと
ぽえむ君
机の引き出しの奥に
わずかばかりの
どこにでもある土の入った袋
これがふるさと
都会のコンクリートの中の
ほんの少しのふるさと
自分が生まれ育った土
袋を開けると
ふるさとの匂いがする
花がある
虫が鳴く
花火が見える
紅葉が彩る
雪が積もる
川がある
空がある
人の声がする
ほんの少しの土は
小さな四角い部屋を
温かくしてくれる
引き出しの中のふるさとは
今も机の中で
生き続けている
自由詩
引き出しの中のふるさと
Copyright
ぽえむ君
2006-12-15 22:39:14
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