世界中の右目を集めて
プル式

夕暮れの風が優しいので
少しだけ手袋を外してみた
小さな枯葉が僕の手にのった

電車に乗ると人ごみが恐ろしく
そっと息を止めてみた
苦しくて苦しくて仕方が無かった

駅からの帰り道に雨が降るので
フードを被ってゆっくり歩いた
雨だれが僕の顔を洗った

猫が雨宿りしてたので
スーパーで小海老を買ってあげた
猫は見向きもせずに行ってしまった

知らない電話が僕を呼んでいるので
電源を切った
みんな消えてしまう気がした
みんな消えてしまえばいいなと思った。


自由詩 世界中の右目を集めて Copyright プル式 2006-12-15 21:12:29
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