閃光のように
ウィル(仮
風が吹いた。
そして、僕は彼女と出会った。
彼女は美しく、そしてまぶしかった。
輝いて見えた。
僕は、彼女のことを閃光のように輝いて見えると讃えた。
すると、彼女は、ありがとう。とだけ言った。
僕は彼女の笑顔に、笑顔で返した。
でも、どこか彼女の瞳は悲しそうだった。
それから、何回目の朝を迎えただろうか。
僕は、彼女に告白をした。
だが、彼女は黙って首を横に振った。
理由はわからなかった。
僕は彼女と別れた。
風が吹いた。
彼女と出会ったときと同じ風だったのかもしれない。
それから、何回目の夜を迎えただろうか。
僕の元に、一通の手紙が届いた。
そして、僕は理由を知った。
黒い服に身を包んで夜の河原にいた。
子供が花火をしていた。
花火は短い間、綺麗に輝くと、静かに散っていった。
風が吹いた。
彼女とであったときと同じ風に思えた。
でも、同じ風ではないだろう。
あのときの風は、あのときにしか感じられないのだから。
花火の閃光が目に焼きついていた。