閃光のように
ウィル(仮

風が吹いた。
そして、僕は彼女と出会った。
彼女は美しく、そしてまぶしかった。
輝いて見えた。
僕は、彼女のことを閃光のように輝いて見えると讃えた。
すると、彼女は、ありがとう。とだけ言った。
僕は彼女の笑顔に、笑顔で返した。
でも、どこか彼女の瞳は悲しそうだった。

それから、何回目の朝を迎えただろうか。
僕は、彼女に告白をした。
だが、彼女は黙って首を横に振った。
理由はわからなかった。
僕は彼女と別れた。
風が吹いた。
彼女と出会ったときと同じ風だったのかもしれない。

それから、何回目の夜を迎えただろうか。
僕の元に、一通の手紙が届いた。
そして、僕は理由を知った。
黒い服に身を包んで夜の河原にいた。
子供が花火をしていた。
花火は短い間、綺麗に輝くと、静かに散っていった。

風が吹いた。
彼女とであったときと同じ風に思えた。
でも、同じ風ではないだろう。
あのときの風は、あのときにしか感じられないのだから。
花火の閃光が目に焼きついていた。


自由詩 閃光のように Copyright ウィル(仮 2006-12-12 00:54:00
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