哀愁のメリークリスマス
恋月 ぴの
ひとりでいることって
決して好きくはないんだけど
ひとりでいたいときがある
壁のカレンダーを眺めてみれば
いつもと同じこよみなのに
この日だけは特別だよって囁いている
瞬くイルミネーションは人恋しくて
それは、あなたのぬくもりと
その先にあるものへの
儚い期待と戸惑い
触れあうだけじゃ終わらない
聖夜の密やかさに
ひとりも気楽かなって雑誌を閉じる
(そろそろ旅にでも出たいな
いつまでも振り向いてはくれない
あなたのことを捕まえたくて
ひとりぼっちのメリーゴーランド
(バッグにはあなたとの思い出だけを
ひとつになんてなれない
愛の刹那に唇噛んで
感じちゃう狂おしい程のもどかしさに
忘れがたいラブソングのベルが鳴る