14の夕暮れ
月夜野

  はじけた言葉の勢いで  
  ドアを蹴って飛び出した 
  夕暮れの空に浮かぶ金星    
  ポケットには月の石


  言わずにいさえすれば  
  通り過ぎた一日
  ひと言で変わった運命  
  ねぐらのない日々の始まり


  夢の風景の中に  
  すべらかに溶け込もう
  ただの影法師になって  
  誰にも気づかれないように


  走れ 銀の自転車  
  どこか知らない街へ
  緑濃い公園を見つけたら  
  片隅のベンチで涙を流そう
  ひっそりと  声を殺して





自由詩 14の夕暮れ Copyright 月夜野 2006-12-10 12:11:32
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