アル日
チアーヌ

  

アル日、
わたしの家に訪問販売員がやってきた。
家に入ってきて、
この「スーパーソウジキ」を買えという。
ローンをしろ、ローンをして買えという。
良く見ると、その販売員はおじさんではあるが
中々イイ男であった。
そいつが口から泡吹いて
「うちの奥さんもとてもいいと言っている」
「ローンで買えば旦那さんにバレない」
などとごちゃごちゃ言っている。
暇だったのだ。
退屈だったのだ。
子供と犬と猫と魚と爬虫類に囲まれて。
水とお風呂と食洗機と天井に囲まれて。
わたしはただ、薄ら笑いを浮かべて、
黙って聞いていた。
ごめんなさい。
ごめんなさい。


自由詩 アル日 Copyright チアーヌ 2004-03-30 14:11:30
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