クローバー
eris

道の片隅に クローバーが咲いていた

「三つ葉の花言葉知ってる?」
隣を歩いていた君が 立ち止まって言ったんだ
「幸運を呼ぶ?」
違うよって 君は静かに首を振り
「私を・・・思い出して」
そう 僕にだけ聞こえるように呟いた

何故か君が消えてしまいそうで
僕は君を強く抱きしめた
全身で君の熱を感じられるように

夕日が僕らを包み込む
ずっとこのままでいたい
そう思うのは 僕のわがままになるのかな?

「・・・帰ろうか」
君がうなずいて ゆっくり離れる
でも 君の手だけは離したくなくて
二人で手を繋いで歩いた

道の片隅のクローバーが 静かに揺れた


自由詩 クローバー Copyright eris 2006-12-06 21:45:32
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