クローバー
eris
道の片隅に クローバーが咲いていた
「三つ葉の花言葉知ってる?」
隣を歩いていた君が 立ち止まって言ったんだ
「幸運を呼ぶ?」
違うよって 君は静かに首を振り
「私を・・・思い出して」
そう 僕にだけ聞こえるように呟いた
何故か君が消えてしまいそうで
僕は君を強く抱きしめた
全身で君の熱を感じられるように
夕日が僕らを包み込む
ずっとこのままでいたい
そう思うのは 僕のわがままになるのかな?
「・・・帰ろうか」
君がうなずいて ゆっくり離れる
でも 君の手だけは離したくなくて
二人で手を繋いで歩いた
道の片隅のクローバーが 静かに揺れた