雪だるまにさようなら
こめ

ゆっくりと頬を伝って流れる涙

悲しみの雪の中を体中真っ白に染まるまで

一人で泣きながらあるいた

風が吹いてサラサラと粉雪が空に登っていく

僕の弱さを心を伝って捜した

真っ暗な満月の下で誰もいない車も来ない

道路の真ん中を丁寧に歩いた

足跡が永遠に続く道

空を見上げて星達は七色に光輝く

なんでこんなに僕はココにいるのかな

思いっきり泣いて笑って過ごした日々はもう

戻ってこない

氷点下の気温で顔は真っ赤になって

手袋からでも雪の冷たさは分かった

まだ足跡がない公園の広場の真ん中で

ゴロンと横になり

無限に降り注ぐ純白のシャワーを

浴びていた

指先はかじかんで感覚を無くしていた

少し時が止まったような気がした

ムクって起きあがって

一人で小さい雪玉を作ってコロがした

ちょっと一個目作ったあとに二個目もつくって

上に乗っけて石と木の枝を拾って

一人で雪だるまを作った

そのあとその雪だるまの頭をトンっと軽く叩いて

僕は家路にもどった

振り返ると雪だるまが手を振って見送っていた

さよならバイバイ

雪降る日の一人遊びはこうして幕を閉じた

満月の下純白のシャワーをあびながらね



自由詩 雪だるまにさようなら Copyright こめ 2006-12-06 20:39:45
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