カルマ
わら
幻想を かすかに、いだきながら、
ぼくたちは、 恋をする。
それでも、やっぱり、
現実は おそろしくて、
なにかの幻想を いだいている。
もう、少年じゃないんだよ。
もう、いろんなことを知ってなぁ
ちゃんと、
つよくなったんだよ。
いや、
汚くなったんだ。
もう、子どもじゃないんだよ。
あのころは、
こわかった。
痛かった。
その熱度が。 しめり気が。
それでも、もう、ちがうだろ。
いろんなものを、 のみこんだろ?
音も、 においも、 その色も・・・
それが、現実と、 知ってきただろ
うばうことも、 うばわれることも、
両手を、うしろでに縛られて、
どうすることもできないことも、
知ったんだ。
少女が、どこにいったのかも。
幻想を踏み潰して、
おまえは、つよく、汚い、大人になっていった。
なあ、
なのになぁ、
いろんなものを見たっからな。
なにも痛まなくなっていったはずなのに、
なあ、 どうして、
そんなふうに、恋をしたんだ?
天罰だよ・・・
そのさきに、どうなるかも、
それが、どういうことなのかも、
両手をつながれ、あがきながらなぁ
おまえは、 よぉく、知っている。
醜いオマエには、 鮮明に浮かぶだろう?
生々しさに、まみれながらなあ。
純粋に、恋をしちまった。
その純白は、オマエの吐き出す泥で 汚れるんだ。
数ヶ月間、
身震いが やまなかったろう?
自慰さえ ままならなかったろう?
女を ろくに、みれなくなったろう?
それが、オマエの、刻印だ。
幻想は、おまえの首を、つるすんだ。
ああ、
希望か、 絶望か
人は それでも、恋をした。
たましいのふりこが、 ゆれている。