生きぬく力
恋月 ぴの

陽だまりのベンチで
あなたの姿を見つけたよ
何気ない仕草のひとつひとつから
幸せのあり方を掬いだしては
これで良いのだと
ひとり頷くあなたの姿
大きな卵でも抱きかかえるように
胸の前で孤を描き
これくらいだったら良いねと
眩しげに空を見上げる
(もっと大きいのは駄目かな
これぐらいがちょうど良いのさ
抱えきれない大きさじゃ
誰かに盗られないかと心配で
夜もおちおち眠れないだろ
両腕で孤を描いたまま背伸びをひとつ
厳しさを増す木枯しの季節にも
陽だまりは必ずあるからね
(欲張りすぎちゃいけないのかな
凍えて縮こまったこころを癒してくれる
そんな小春日和の陽だまりで
あなたは
先に行こうとするのでもなく
後戻りしようとするのでもなく
肩の力なんか抜いたら
組んだ脚振り子みたいに揺らしてる


自由詩 生きぬく力 Copyright 恋月 ぴの 2006-12-04 06:45:37
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