時をおくる
月夜野

   私の中で歌っていた
   リズムはもう死んで
   あとには振子とぜんまいが
   解体工場の鉄くず同然に
   ゆっくりと瞬目しながら
   光の中に溶け出していくのだった


   秋の日の
   どこか諦観した空気の襞々から
   消えゆくものたちが羽ばたいて
   最期の
   それはそれは物悲しげな叫びを
   発し続けているのだった


   調速機さながらの規則正しさで
   輪列をパルスに変えて
   虚空へ放ち続ける
   その儚い脈動に花を添えて
   私は時をおくろう

          


自由詩 時をおくる Copyright 月夜野 2006-12-02 22:28:10
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