雪葉
なかがわひろか

雪が天命を授く様に
空よりの言の葉を乗せ落ちる
拾い集める結晶の断片を
つなぎ合わせて見る伝言

手にした物は自由かい
虚ろに消える毎日かい
解けて消える私の伝言に
答えは隠されている

舞い落ちる雪が
大地への接触と共に破裂する
手にした欠片を翳し
あの人の意図を見透かす

愛した人の道を
示す目印を宿しながら
拾い集める者を嘲笑し
止まることなく降り続く

温もりを蔑み
解を証明する者を覆い尽くす
伝えらるるあの人の声を
聞いているのは
凍てついた記憶の
持ち主だけ

(「雪葉」)


自由詩 雪葉 Copyright なかがわひろか 2006-12-01 07:41:57
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