★52 クチヅケ
貴水 水海

君と僕の

初めての「くちづけ」は

何年前だろう

君は

大粒の涙を流して

僕の名を呼んだ

僕も泣きかけた

もう

僕たちは会えないと思っていた

間違いで済ませないと

忘れられなくなっていた

そんな君が

笑って僕の名を読んでくれる

何も言わないで

僕と君は

一日の終わりに

くちづける

僕と君の運命の交わる瞬間

君と僕は

くちづける

君と僕の運命の交わる瞬間

君と僕は

くちづける


自由詩 ★52 クチヅケ Copyright 貴水 水海 2004-03-28 14:56:13
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