町と月と電車と。
緋月 衣瑠香

こんなに寒い夜は
こうやって電車を待っていると
たくさん思うことがある

このホームから見える海の向こう側
そこには皆がいる
僕の目にうつる町の光
あれは人が生きているということの印

このホームから見上げる空に上弦の月
そこには心がある
僕の目にうつる月の光
あれは私が生きているということの印


私の目にうつるのは
しんしんと輝く皆と
僅かに輝く自分と
その間から見える電車の
眩い光


自由詩 町と月と電車と。 Copyright 緋月 衣瑠香 2006-11-28 22:55:56
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