ピシャウ
黒川排除 (oldsoup)
カラーテレビに色とりどりの濾過映る
策尽きて月待つ村の異様な過疎
逆さまの鉄塔の中を渦巻く石油
墓殴る顔の形に変わるまで
二階から鉤爪と少女の嗚咽
前頭葉にアルミ箔貼られ他者の想念
風吹く前にも風が、ひとはいなかった
おだやかな眠りの三時もジグソーで切られ
地下水脈の交わり伏せる兜朽ち
歌にある旧家に無為のチューブばかり
屋上に息の根到達するまで止める
牧場がいきなり切れてそこから宇宙
苦笑が楽しくてしかたない子に国を消される
野山の机を紙切れみたいに一枚の鳥
ガラスの栞に同年没と透かし見る
枝折れるこの液体も水なのね
極地のドア目印でしかないが開く
毒蛇の蛇の部分が生き框
正しくは牛の悲鳴である刺繍
眉間に消える吉報握りしめたまま