口笛は何処へも届かない
LEO

銀色の穂波は
斜陽に映える芒の原
光と戯れ
丘の向こう側まで
続いている

風は止むことを知らない
運ばれる匂いは
ひとつの季節の終止符
あるいは序曲として
わたしに交わるけれど

いくつの季節を越えてきた
いくつの季節を越えてゆく

眠るものにも
目覚めるものにも
等しく時は与えられるのに
遠い目をして
何が見えるのだろう

旅鳥の群れが
かたちつくるもの
はるか上空にその標を告げ
迷うことなく
影だけを落とした


風の音
ひかり
銀の色
移ろう時の
影はるか

口笛は何処へも届かない


自由詩 口笛は何処へも届かない Copyright LEO 2006-11-25 22:25:22
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