戦火
たもつ



窓をひとつひとつ
捨てた
魚のうろこを剥ぐ時のような
つうっとした痛みも無く
部屋はほのかな幸せとともに
凪いだまま夕闇へと
進行していた
それから壁に
偽物の窓を描き
美しい景色を描いていく
誰からも愛されない子など
どうかいませんように
そう願ったのも
それで最後だった





自由詩 戦火 Copyright たもつ 2006-11-25 16:28:58
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