祈り〜遠い空から〜
未有花

君の街に雪が降ったとニュースで聞いた
君はどうしているだろう
僕の街にはまだ雪の便りはないけど
日に日に冷たくなる風の冷たさに
雪の気配を感じているよ

君が学校を辞めたと風の便りで聞いた
なぜなの どうしてと
今の僕には問いかける資格はないね
君はまだ僕のことを許せないでいるの?
君とは別の道を選んだ僕をまだ怒っているのかな?

あの日ケンカ別れのように君と別れてから
僕は新しい生活になじむことでせいいっぱいで
君のことを考える余裕すらなかった
そのうち新しい友達も出来て
いつしか君のことも記憶から忘れて行って
今こうしてようやく君を思っている

君にどんなことがあったか知らないけれど
今の僕にはただ祈ることしかできないよ
ただ君の幸せを
君が幸せでありますようにと祈るしか
今さら君との友情を取り戻そうとするほど
僕もお人好しじゃないから
今はただ遠い空から君のために祈るよ

この街にもやがて雪が降って
すべてを白く染めてくれるだろう
いつか君とまた見ることができたなら
どんなにかいいだろう

白い雪が君にも舞い降りて
君の心を慰めてくれますように
雪待月の空の下
僕は静かに瞳を閉じた


自由詩 祈り〜遠い空から〜 Copyright 未有花 2006-11-24 12:39:33
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