セミの抜け殻パズル
たもつ
セミの抜け殻を
たくさん集めて帰った
何となく
母にほめてもらえる気がした
母はパズルのピースが足りない
と探していた
父は受話器を握り
そこをなんとかお願いします
そう繰り返しながら
何度もお辞儀をしていた
時間になると皆で夕食をとった
三つ違いの兄が一回おかわりをした
セミの抜け殻が置きっぱなしになっている
暗い玄関の明るい明日を
僕は思った
自由詩
セミの抜け殻パズル
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たもつ
2006-11-21 17:42:51
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