眠る前に
海月

小さな指の間からすり抜けた思い出達
瞬きをすれば明日になっている
そんな毎日を今、僕は過している

理由もないのに涙が出るのは年老いたから?
過去ばっかり思い出すのは未来に希望が持てないから?

赤錆だらけのバス停に停まるバスは今はない
目の前をただ通り過ぎる
名前と場所だけは確りと刻まれて
それは悲しくもあった

時の爪痕はこんな所に刻まれている
ボロボロのベンチはうな垂れながらも座る人を待つ
ベニヤ板は柔らかくて誰かが座ったら壊れてしまう
それで壊れる事を望んでいる様にその場所にある

新品で自分の身長よりも高いランドセル
時間が経つにつれて高かったランドセルも追い抜く

時間の経過を自分に合わせる時に言えることは
体重が増えた事と身長が伸びた事
たったそれだけ、それだけ

銀河鉄道みたいに夜になれば列車が僕を迎えに来る?
クリスマスにはサンタクロースがプレゼントを持ってくる?

いつからだろう
そんな事すらも考えなくなったのは?

たまには、そんな事を思って見て眠りにつこう



自由詩 眠る前に Copyright 海月 2006-11-21 01:05:13
notebook Home 戻る